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10/5 神奈川新聞:人工関節手術についてのインタビュー記事掲載

近年の医療の進歩により、さまざまな疾患に対する治療が可能になっている。重篤な関節の痛みに対する治療法として『人工関節置換術』という手術がある。そこで、人工関節について正しい知識を得るために、人工関節のスペシャリストである、西横浜国際総合病院の大久保俊彦氏にお話を伺った。

●人工関節治療について
 医療技術や手術器具の進歩により、人工関節はポピュラーな治療手段となりました。術前の関節や骨の状況を把握し、さまざまな検査結果から、手術法を選択します。壊れた関節を人工関節に置き換えるため、骨の中に人工の土台を埋め込み、正確な位置に適切な角度で設置します。その土台の内側に動く面、いわゆる磨耗する素材を設置するわけです。そうすることで痛みが取れ、以前より関節はよく動き、筋力も増します。年齢、変形の進行速度や、痛い関節をかばうことによって身体の他の部位に支障が出てこないかなどを考慮し、手術の時期を決定することも肝要。最終目標は人工関節が長く使用でき、QOL(生活の質)、いわゆる正常人の機能レベルまで向上させることです。
●関節そのものをよく知ることが大切!
 一般に関節は35歳ぐらいから老化が始まり、問題があれば加齢により悪化することは言うまでもありません。年齢や状況を考慮し、うまく使うことをお勧めします。体重をかけずに動かすことで関節液を循環させ、ストレッチによって筋の血流改善にも努めます。身体の状況に合った適切な時間をかけ正しいフォームで歩く、あるいは足踏みなどを組み合わせます。関節変形が進んで手術が必要になった方は、思うように動けませんので、特別なエクササイズが必要です。但し、術前エクササイズされた方は、やはり手術後の回復が早く、同年齢の正常機能レベルまで到達しやすいです。
●入れ替え手術(再置換術)には経験と技術が求められる!
●実際の手術について教えてください
 人工関節の手術の多くは、臼蓋形成不全(股関節の屋根の部分が未発達な意)や関節軟骨が消失してくる一次性変形性股関節症などによる股関節の適応が最も多く、最終的変形(末期関節症)にて手術となります。人工関節にも寿命があり、摩耗、緩み、破損などで入れ替える時は必ずやってきます。摩耗だけなら、部分的に入れ替えるので、軽い手術ですが、緩み、破損などで土台を替えるとなると、骨の大量移植や、金属の外枠補強などの高い技術と経験が求められます。そのため、医師には人工関節の結末を理解し、どのように技術的に改善すべきかを考慮した上で初回手術をすることが大切なのです。医師や病院を選択する上で、長持ちした人工関節長期成績例を経験しているかという点や、さまざまな状況での再置換術(入れ替え手術)の治療ができるかをしっかりと見極めることをお勧めします。
      運動療法で機能を改善について
●手術後のリハビリの重要性について教えてください
 術後のリハビリテーションが適切になされていれば、体の機能は改善されていきます。入院は2から3週ですが、術後6カ月以上連続してリハビリテーションを行うと筋力が失われにくくなるため、退院後のエクササイズは重要です。ただし、これらを自宅で行うとなると、なかなか困難。そこで、リハビリテーション指導士らとともに、本来人間が持っている体の機能を生かす『メディカルリハフィット』という、運動療法の指導にも力を入れています。
●最後に一言
 高度な医療をより安全に、効率的に提供することが私たち医師に求められていることです。医療の進歩は目覚ましく、『今、いいとされる治療』でも3年後には変わっているかもしれません。移り変わる医療を積極的に取り入れていくことの重要性が挙げられます。これからの若い世代の医師には、患者さんと正面から向かい合い、治療結果を共に喜べるような医師を目指していかれることを期待します。
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